福島第一原子力発電所の危機への対応

福島での津波からの復旧作業において、当社は東京電力に対して初期に支援を行いました。今日まで当社の技術により、370,000 m3 (約1億ガロン)以上の汚染水から3.7x1017Bq(1,000万キュリー)を超えるセシウムの除去を行ってきました。モバイル技術プラットフォームを導入し、敷地内の何百もの貯蔵タンクに保管されている水からストロンチウムの除去も行いました。当社の遠隔アクセス技術は、原子炉で原子炉格納容器の調査と修理に使用されています。

2011年3月に日本で発生した地震と津波の余波で、被害を受けた福島第一原子力発電所に対する懸念から、住民と観光客がこの地域から避難しました。

地震後の早い段階で、東京電力は現場の汚染水浄化を支援するために当社を選定しました。

時間との闘い:セシウム除去システムを提供

 

Cesium Adsorption System

福島での最大の懸念事項は、数百万ガロンの汚染水からセシウムを除去することでした。セシウムは、現場における主な放射線源であり、最大の安全上のリスクでした。セシウムは強いガンマ線放射線源であり、鋼鉄のパイプを貫通することができる数少ないイオンの1つです。

作業員がより安全に施設で作業し除染を開始するには、セシウムを捕捉することが不可欠でした。

当社は、ナトリウムとセシウム間のイオン交換によるイオン特定媒体(ISM)の技術を用いました。このイオン交換材は、そのサイズと電荷の両方でイオンを捕捉することができます。

東京電力ホールディングス株式会社は、媒体以上のもの、つまり早急に設置できる完全な工学システムを必要としていました。この局面で、連日施設から新たな情報が出てきており、東京電力と協力してその情報をリアルタイムで設計に取り入れました。わずか5週間で全サプライチェーンを動員し、セシウム吸着システムの設計、建設を行いました。

1,200 m3/day(320,000ガロン/日)の定格システムは、9日間で福島で組み立てられ、実際の汚染水を使用したホット実運転の前に、コールド試運転を1日とホット試運転を3日間行いました。当社のシステムで東京電力を支援し、2011年12月16日に冷温停止状態に至りました。結果は以下のとおりです。

  • 8週間で、システム設計、製造、搬入、立ち上げを実施
  • セシウム除去目標の99.9%を達成
  • 現場で除去された放射能の70%以上に関与
  • 100,000 m3以上の水を処理

 

ストロンチウム除去のために稼働中のモバイル型水処理システム

福島第一原子力発電所での事故後2014年までに、原子炉を冷却するために使用した400,000 m3の水が数百の貯蔵タンクに保持され、容量は増加し続けています。

現場の安全性を早急に改善し周囲の環境へのリスクを軽減するために、東京電力はタンクに貯蔵した水からストロンチウムを除去するシステムを設計、建設するよう当社に依頼しました。この緊急の必要性に対応するため、7か月でシステムを設計し、組み立て、搬入を行いました。

当社のモバイル型処理システム(KMPS)は、福島のタンク近傍でモバイル型水処理システムとしで使用され、300 m3/日のプロセス定格処理量で水からストロンチウムを除去しました。KMPSは、5つの改造されたISO輸送コンテナで構成されています。KMPSは、当社のセシウム除去吸着システムと同様であり、ろ過能力を追加したモジュール型プラグアンドプロセス設計を採用しています。KMPSは世界最大の貨物機であるアントノフ航空機で輸送されました。

結果:

  • 当社の最初のモバイル型処理システムは、2014年10月上旬に福島第一発電所で稼働し始め、目標を超える99.95%以上のストロンチウムを汚染水から除去しました。

  • 最初のシステムがほぼ完成した時、東京電力は、最初のシステムと同じ2基目のシステムの建設を依頼した。これは、13週間で納入し、2015年2月に稼働を開始しました。

2つのKMPSは水からストロンチウムを除去し、東京電力は2015年5月の汚染除去における重要な安全マイルストーンを達成しました。東京電力は、「ストロンチウムの分離は、環境中の放射線に最も影響を与えそうな物資を除去するということを意味する」と発表しました。

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